犬の鼻が濡れているのは正常?病気のサインとの見分け方を獣医が解説
2025年12月1日

犬の健康状態を知るうえで、「鼻が濡れているかどうか」はよく注目されるポイントです。
多くの飼い主さんが、
「犬の鼻が濡れているのは普通?」
「乾いていたら病気なの?」
と不安になることがあるでしょう。
実は、犬の鼻の湿り気は 嗅覚・体温調整・生活環境 など、さまざまな理由によって変化します。
基本的には“濡れている=正常”ですが、濡れ方や状態によっては病気のサインになることも。
この記事では、犬の鼻が濡れている理由・病気の可能性・乾いているときの見極め・自宅でのケア方法 をすべてわかりやすく解説します。
あなたの大切な愛犬の健康チェックに、ぜひ役立ててください。
監修:わんにゃん保健室 獣医師 江本 宏平
https://asakusa12.com
目次
- 1.犬の鼻が濡れているのは普通?結論
- 2.犬の鼻が濡れている主な理由
- 自然な体の仕組みによるもの
- 匂いを嗅ぎやすくするため
- 生活環境による一時的な湿り
- 3.犬の鼻が「濡れすぎ」ている場合の注意点
- 風邪・感染症の可能性
- アレルギーの可能性
- ストレス・興奮時の変化
- 4.犬の鼻が濡れていない(乾いている)ときは危険?
- 5.こんな症状があるなら要注意(病院へ行く目安)
- 6.自宅でできるケア・対処法
- 乾燥対策
- アレルギーが疑われるとき
- 注意すべき自己判断ケア
- まとめ:犬の鼻の状態で健康を見極めるポイント
- よくある質問(FAQ)
- Q1.犬の鼻がズルズルしているのは普通?
- Q2.寝るときだけ鼻が乾くのは?
- Q3.子犬の鼻はいつも濡れていますが大丈夫?
- Q4.老犬の鼻が乾きやすいのは?
1.犬の鼻が濡れているのは普通?結論
結論から言うと、
犬の鼻は基本的に「濡れていて正常」です。
鼻が適度に湿っていることで匂いを集めやすくなり、犬本来の鋭い嗅覚を発揮できます。
また、湿り気は体温調整にも少し関わっており、犬にとって大切な役割を果たしています。
ただし、
-
鼻水が異常に多い
-
色が濁っている
-
呼吸が苦しそう
といった症状がある場合は、健康に問題があるサインになることもあります。
2.犬の鼻が濡れている主な理由
自然な体の仕組みによるもの
犬はもともと鼻先から少量の粘液を分泌しており、その粘液が鼻を適度に湿らせています。
さらに犬は頻繁に 舌で鼻を舐める習性 があるため、湿り気が保たれやすいのです。
また、鼻の表面で水分が蒸発するときに熱を奪うため、体温調整にも軽く役立っています。
匂いを嗅ぎやすくするため
犬は人間の数千倍以上の嗅覚を持つといわれています。
その嗅覚を最大限に活かすには鼻の湿り気が必要です。
湿っていることで、空気中の匂い分子が鼻の表面に付着しやすくなり、
“においキャッチ能力”が向上します。
生活環境による一時的な湿り
鼻の状態は、生活環境によっても変わります。
-
外が寒くて鼻水が少し出る
-
散歩や運動後で呼吸が荒く、湿っている
-
湿度の高い日は鼻も湿りやすい
このような一時的な湿りは、まったく問題ありません。

3.犬の鼻が「濡れすぎ」ている場合の注意点
「濡れているのは正常」とはいえ、常に鼻がズルズルしている状態は要注意です。
風邪・感染症の可能性
犬も風邪を引くことがあります。
特に以下のような鼻水は病気のサインかもしれません。
-
水のような鼻水が大量に出る
-
黄色っぽい・粘り気が強い鼻水
-
くしゃみや咳を伴う
風邪、ウイルス性呼吸器疾患などが考えられます。
アレルギーの可能性
花粉・ハウスダスト・ダニなどのアレルギーによって鼻水が増えることもあります。
-
季節性である
-
くしゃみが多い
-
目のかゆみを伴う
といった症状がある場合はアレルギーを疑います。
ストレス・興奮時の変化
ストレスが強くかかると、犬は興奮して呼吸が荒くなり、鼻が濡れやすくなることがあります。
多くは一時的で問題ありませんが、ストレスが続くと体調を崩す原因になることも。
4.犬の鼻が濡れていない(乾いている)ときは危険?
鼻が乾いている=病気、とは限りません。
寝起きの犬の鼻は、ほとんどの場合乾いています。
これは単に、寝ている間は舐める回数が減るためです。
また、
-
冬の乾燥
-
エアコンの風
-
高齢による水分量の低下
などでも、鼻が一時的に乾くことがあります。
しかし、以下の場合は注意が必要です。
-
ひび割れや出血
-
触ると熱い
-
ぐったりして元気がない
-
乾いた状態が数時間以上続く+他の症状あり
この場合は体調不良のサインの可能性があるため、早めに受診を。

5.こんな症状があるなら要注意(病院へ行く目安)
以下の症状がある場合、病気の可能性が高いため、早めの受診がおすすめです。
-
黄色・緑色の鼻水
-
鼻に血が混じる
-
呼吸が荒い、苦しそう
-
元気がない、食欲が落ちている
-
鼻の乾燥が続いている
-
高熱っぽい
鼻だけでなく 他の症状と合わせて判断 することが大切です。
6.自宅でできるケア・対処法
乾燥対策
-
室内に加湿器を置く
-
水を常に飲みやすい場所に置く
-
鼻周りの汚れは軽く拭く
特に冬場は部屋の加湿が効果的です。
アレルギーが疑われるとき
-
散歩後の体・足・鼻の周りを拭く
-
ハウスダストを減らすためのこまめな掃除
-
食物アレルギーの場合はフードの見直し
アレルギーは一度獣医師に相談すると、より適切な対策ができます。
注意すべき自己判断ケア
-
人間用の保湿剤・ワセリンを勝手に塗らない
-
鼻水を止めるために市販薬を与えない
-
無理に鼻水を吸い取らない
必ず犬用のケア用品を選び、異常が続くときは獣医に相談しましょう。

まとめ:犬の鼻の状態で健康を見極めるポイント
-
犬の鼻は基本的に「濡れていて普通」
-
常に濡れすぎている、乾きすぎている場合は注意
-
鼻の状態だけで判断せず、全身の様子を見ることが大切
-
異常が続く場合は早めに獣医師へ相談を
愛犬の小さな変化に気づいてあげることで、病気の早期発見につながります。
よくある質問(FAQ)
Q1.犬の鼻がズルズルしているのは普通?
一時的なら問題ありませんが、長時間続く場合は要注意。
Q2.寝るときだけ鼻が乾くのは?
よくあることなので心配ありません。
Q3.子犬の鼻はいつも濡れていますが大丈夫?
正常です。子犬は代謝が高く湿りやすい傾向があります。
Q4.老犬の鼻が乾きやすいのは?
自然な老化現象の可能性もありますが、ほかの症状があれば要注意。
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