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愛犬の健康を守る!僧帽弁閉鎖不全症犬の症状と治療法を徹底解説

2025年7月11日

家族のように大切な存在である愛犬の健康は、飼い主にとって何よりも重要なことです。中でも犬の心臓病は深刻な疾患で、早期発見と適切な治療が大切となってきます。このブログでは、犬の心臓病の一つである「僧帽弁閉鎖不全症」について、わかりやすく説明していきます。病気の基礎知識から症状、診断方法、治療法までを詳しく解説しますので、飼い主の皆さまの不安を和らげ、愛犬の健康管理に役立つ情報が満載です。

ブログ 医療監修

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監修:わんにゃん保健室 獣医師 江本 宏平
https://asakusa12.com
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1. 犬の僧帽弁閉鎖不全症とは?基礎知識をわかりやすく解説

犬の僧帽弁閉鎖不全症は、犬に見られる心血管の疾患の中でも特に頻繁に診断される病気です。この病は、心臓の左心房と左心室をつなぐ「僧帽弁」の機能障害によって引き起こされます。僧帽弁は心臓内の血液の流れを適切に保つために重要な役割を果たしていますが、弁が完全に閉じることができないと、血液が逆流してしまいます。この状態が続くと、心臓に過度の圧力がかかり、様々な健康問題が引き起こされるリスクが増加します。

僧帽弁閉鎖不全症のメカニズム

この病気は、心臓の構造における変化が主な原因です。心臓内の圧力や血流の変化によって、僧帽弁が変性し、弁膜が厚くなったり、通常の機能が損なわれたりします。その結果、逆流する血液が心臓や肺に余分な負担をかけることになります。

具体的な流れは次のようになります。

  1. 心房から戻った血液が左心室に流れ、全身に向けて送り出される準備をする。
  2. 僧帽弁の閉まりが不完全なため、一部の血液が逆流し、心臓にさらなる負担をかけることになる。
  3. この状態が続くと、心臓の機能が低下し、心不全を引き起こす可能性が高まります。

症状の初期段階

初期の段階では、飼い主が見逃しやすい微細な症状が現れることが多いです。病気の進行が進むまでに、以下のような軽微なサインが見られます。

  • 軽い運動で疲れやすくなる
  • 日常の活動を控えめになりがち
  • 咳が頻繁に出る(特に夜間や早朝)

これらの症状に気付いた場合は、早めに獣医師に相談してください。

定期的な健康診断は、病気の早期発見に大きく貢献します。

発症リスク要因

僧帽弁閉鎖不全症は特に小型犬種で多く見られる病気です。次の犬種は、この疾患にかかりやすいとされています。

  • ポメラニアン
  • マルチーズ
  • チワワ
  • シー・ズー

また、年齢も重要な要因であり、一般的に7歳を超えるとリスクが上昇します。特に8歳以上の犬では、この疾患の発症率が約30%に達することが知られています。

犬の僧帽弁閉鎖不全症は一般的な心疾患ですが、その早期発見と適切なケアが愛犬の健康を維持するために非常に重要です。信頼できる獣医師に早めに相談し、愛犬の状態をしっかり把握することが必要です。

2. なりやすい犬種と年齢について知っておこう

犬の僧帽弁閉鎖不全症は主に高齢犬や特定の犬種において多く見られる病気です。そのため、どのような犬種がこの病気にかかりやすいのか、また年齢との関連について理解することが重要です。

僧帽弁閉鎖不全症にかかりやすい犬種

特に以下の犬種が、僧帽弁閉鎖不全症にかかりやすいとされています。

  • ポメラニアン
    遺伝的要因が強く、若い頃から病気になることが多いです。
  • トイ・プードル
    小型犬の中でも特にリスクが高い犬種のひとつです。
  • マルチーズ
    美しい被毛が特徴ですが、同時に心臓病にかかることも多くなります。
  • シー・ズー
    健康管理には特に注意が必要です。
  • チワワ
    小さな体に心臓への負担がかかりやすい犬種です。

その他にも、キャバリアやダックスフンド、ミニチュア・シュナウザーといった小型犬種が含まれます。

年齢との関連

僧帽弁閉鎖不全症は体重やサイズに関わらず、主に年齢によってリスクが高まります。

  • 7歳から8歳以上
    この年齢層に入ると、罹患率が急激に増加します。特に8歳以上では約30%、10歳以上では50%以上とされており、年齢が進むにつれて発症リスクが高まるのです。
  • 4歳〜6歳
    若い犬でも特定の犬種では早期に症状が出ることがありますが、一般的には7歳を超えた頃から注意が必要です。

注意点

高齢犬やリスクの高い犬種を飼う際には、定期的な健康診断が非常に重要です。特に、心雑音や呼吸の変化に気づくためにも、月に一度のチェックを推奨します。愛犬の様子をよく観察し、いつもと異なる行動や健康状態の変化が見られた場合は、早めに獣医師に相談しましょう。

犬種や年齢によってリスクが異なるため、事前に知識を深めることが、愛犬の健康管理に役立ちます。特に心臓病にかかりやすい犬種を飼っている飼い主は、予防的なケアを通じて、愛犬の健康を守る意識を持つことが求められます。

3. 早期発見のために!主な症状とサイン

犬の僧帽弁閉鎖不全症は、早期に見つけることが極めて重要な病気です。初期の段階ではほとんど症状が現れず、通常の生活の中では気付きにくいことが特徴です。しかし、以下のような警告サインに注意を払うことで、早期発見につながる可能性があります。

考慮すべき主な症状

  • 慢性的な咳
    僧帽弁閉鎖不全症が進行すると、肺に水分が溜まることで、周囲の状況に関係なく咳をすることが増えます。この咳はしばしば長引くため、注意が必要です。
  • 呼吸困難
    犬の呼吸が早く、また粗くなることが多くなります。特に運動後にハアハアと息切れする場合には、警戒が求められます。
  • 運動耐性の低下
    散歩中に以前に比べて早く疲れたり、遊びを楽しむことが減少することがあります。これは心臓にかかる負担によるものです。
  • 疲労感の増加
    普段よりも元気がなく、無気力な時間が長くなることが見られます。また、食欲が減少したり興奮しない様子も、注意すべきサインです。
  • 舌や歯茎の色の変化
    チアノーゼが現れることがあり、舌や歯茎が青紫色になるのは血液中の酸素濃度が下がることを示しています。
  • 失神
    突然倒れてしまうことがあるため、特に注意が必要です。失神は心臓の機能に問題がある可能性があるため、重要な警告サインです。

定期的な健康チェックの重要性

これらの症状が見られた際は、すぐに獣医師に相談することが欠かせません。特に心雑音が聴取される場合は、追加の検査が必要です。以下のチェックリストを参考にしましょう。

  • 【 】食欲は減少しているか?
  • 【 】元気がなく、長時間じっとしているか?
  • 【 】散歩中に途中で立ち止まる、または歩くことを拒むか?
  • 【 】咳や息切れが見られるか?
  • 【 】舌や歯茎の色に異常がないか?
  • 【 】失神の兆候が確認できるか?

早期発見のためのポイント

僧帽弁閉鎖不全症は「隠れた心臓病」とも呼ばれ、初期段階ではその症状が現れないことが多いです。したがって、飼い主として愛犬の健康状態を定期的に確認することが非常に大切です。年に1回の健康診断を受けることで、心臓の異常を早期に発見できる可能性が高まります。信頼できる動物病院での定期チェックをお勧めします。

4. 獣医師が行う診断方法と検査の流れ

犬の僧帽弁閉鎖不全症を正確に診断するためには、獣医師による多角的なアプローチが必要です。この病気は進行性であるため、早期発見が治療効果に大きく影響します。以下に、獣医師が行う診断方法と検査の流れを詳しく解説します。

主な診断手順

  1. 問診 – 犬の体調、症状の継続時間、生活習慣を飼い主から詳しく聞き取ります。 – 特に注意すべき点として、呼吸困難や咳、運動後の疲れやすさなどが挙げられます。
  2. 身体検査 – 獣医師は聴診器を使用して心臓の音を確認し、異常な雑音がないかチェックします。 – 体重や全身状態も評価し、心臓にかかる負担を減らすための基準を設けます。
  3. レントゲン検査 – 胸部のレントゲンを撮影し、心臓の大きさや形状を視覚的に確認します。 – 肺水腫の有無を判断するためにも重要です。
  4. 超音波検査(エコー検査) – 心疾患の詳細な評価に用いられる非侵襲的な検査です。 – 僧帽弁の機能や心臓の構造を直接観察でき、病状の進行度を把握することが可能です。
  5. 心電図検査 – 不整脈の有無を確認するために実施されます。 – 心拍のリズムや異常な波形を検出することができます。
  6. 血液検査 – 心臓のバイオマーカーであるNT-ProBNPを測定し、心臓病の存在を確認します。 – 他の病気の有無を察知するために、血液化学分析や尿検査も行うことがあります。

診断結果の評価

検査結果をもとに、獣医師は犬の状態をACVIM(アメリカ獣医内科学会)のステージ分類を用いて評価します。この評価により、犬の健康状態や必要な治療方針を決定するのです。例えば:

  • ステージA: 特に治療は必要なく、定期的な検査を推奨
  • ステージB1/B2: 定期検診を行い、必要に応じて薬物治療を開始
  • ステージC: 薬物による治療が必要となり、症状管理が重要
  • ステージD: 高度な治療が求められ、入院治療が必要なこともあります

トータルでの検査と評価が終了すると、獣医師は患者犬の状況に応じた最適な治療法を提案します。それぞれのワンちゃんに合ったアプローチを行うことで、より良い治療結果へとつなげていきます。

5. 治療方法を徹底解説!内科治療と外科治療の違い

犬の僧帽弁閉鎖不全症は、心臓の機能に重大な影響を及ぼす病気です。この疾患に対する治療法は、主に内科治療外科治療の2つに分けられます。それぞれのアプローチについて詳しく見ていきましょう。

内科治療

内科治療では、主に医薬品を使い、犬の心臓にかかる負担を軽減し、病気の悪化を防ぐことを目指します。この治療法の主な特徴は以下の通りです。

  • 長期的な管理が求められる: 内科治療は、一部の場合では生涯にわたっての薬物管理が必要になることがあります。心臓の収縮機能を改善する薬剤や血管を拡張させる薬剤が一般的に使用されます。
  • 症状の緩和: 内科治療手法により、咳や呼吸困難などの症状を軽減し、犬の生活の質を向上させることが期待されます。
  • 経済的な配慮: 長期的に治療を行うことが必要になるため、飼い主にとって経済的な負担が増える可能性があります。家庭の状況に応じて適切な治療法を慎重に選択することが必要です。

外科治療

外科治療は、僧帽弁閉鎖不全症を根本から治療しようとするアプローチです。この治療法の主な特徴は以下のようになります。

  • 手術の選択肢: よく行われる手術に「僧帽弁修復術」があります。この手術では、逆流を軽減するために弁を縫い縮める方法が用いられますが、高度な技術が必要で施術可能な病院は限られています。
  • リスクと治療効果: 外科手術には一定のリスクが伴いますが、成功すれば状態が劇的に改善する可能性があります。ただし、手術によって必ずしも完全に回復するわけではなく、慎重な判断が求められます。
  • 手術を受けるための基準: ひどい咳や苦痛を伴う症状がある場合、外科治療を考慮することがあります。ただし、その犬が手術を受けるのに適した状態かどうかを見極めることが非常に重要です。

治療方法の選択

内科治療と外科治療は、犬の健康状態や年齢、病気の進行度に応じて選択されます。早期検出は、その後の治療法の選択にも影響を与えるため、定期的な健康診断を受けることを強く推奨します。

まとめ

犬の僧帽弁閉鎖不全症は、早期発見と適切な治療が非常に重要な心疾患です。特に小型犬種や高齢犬は発症リスクが高いため、飼い主は定期的な健康診断を受けさせるとともに、日頃からの観察を心がける必要があります。症状が出た場合は早期に獣医師に相談し、内科治療や外科治療を検討することで、愛犬の健康を守ることができます。この病気の適切な管理と治療によって、ワンちゃんの快適な生活を長く維持することが可能になります。

よくある質問

犬の僧帽弁閉鎖不全症の主な症状は何ですか?

犬の僧帽弁閉鎖不全症の主な症状には、慢性的な咳、呼吸困難、運動耐性の低下、疲労感の増加、舌や歯茎の色の変化、失神などがあります。これらの症状に気づいた場合は、早期に獣医師に相談することが重要です。

どの犬種が僧帽弁閉鎖不全症にかかりやすいですか?

特に小型犬種、例えばキャバリア・キング・チャールズ・スパニエル、トイ・プードル、マルチーズ、シー・ズー、チワワなどが僧帽弁閉鎖不全症にかかりやすいとされています。また、7歳以上の高齢犬でもリスクが高まります。

僧帽弁閉鎖不全症の治療方法には何がありますか?

僧帽弁閉鎖不全症の治療には、内科治療と外科治療の2つのアプローチがあります。内科治療では薬物療法により症状を管理し、外科治療では僧帽弁の修復手術を行うことができます。治療方法は犬の状態に応じて選択されます。

僧帽弁閉鎖不全症の早期発見のためには何が大切ですか?

僧帽弁閉鎖不全症は初期症状が現れにくいため、定期的な健康診断が非常に重要です。飼い主が愛犬の健康状態を注意深く観察し、異変に気づいた場合は早めに獣医師に相談することが、早期発見のためのポイントとなります。

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