犬の認知症を徹底解説|初期症状・治療・介護・予防までわかる完全ガイド
2025年12月15日

愛犬が“いつもと違う行動”を見せ始めたとき、
「もしかして認知症?」と不安になる飼い主さんは多くいます。
実際、犬の平均寿命は伸び続けており、
11歳以上の犬の約2〜3割が認知症(認知機能不全)になる といわれています。
しかし、正しい知識を持って早めに対処すれば、
症状の進行を遅らせたり、生活の質を大きく保つことが可能です。
この記事では、
-
認知症の初期症状
-
中〜重度の状態
-
原因・治療法
-
自宅でできるケア
-
介護の具体的なコツ
-
予防方法
まで、わかりやすく解説します。
「この行動は認知症のサイン?」
「どう接してあげればいい?」
と悩む飼い主さんに向けた“保存版ガイド”です。
監修:わんにゃん保健室 獣医師 江本 宏平
https://asakusa12.com
目次
- 1.犬の認知症とは?まず知っておきたい基礎知識
- 高齢犬に増えている理由
- 何歳から注意すべき?
- 2.犬の認知症の初期症状|早期発見のポイント
- ✔ 夜に吠える・落ち着かない
- ✔ 呼んでも反応しない
- ✔ ぼーっとしている時間が増える
- ✔ トイレの失敗が増える
- ✔ 徘徊(うろうろ歩きまわる)
- 3.中〜重度になるとどう変わる?進行段階の症状
- 昼夜逆転が悪化
- ぐるぐる回り続ける
- 食欲の変化
- 飼い主がわからなくなる
- 攻撃的・不安が強くなる
- 4.犬の認知症の原因|なぜ起こる?
- ✔ 脳の老化(酸化ストレス)
- ✔ 運動不足
- ✔ 生活環境の変化
- ✔ 病気・持病
- ✔ 遺伝的要因
- 5.犬の認知症は治る?治療法とケア方法
- 動物病院で行われる治療
- 自宅でできるケア
- 6.介護はどうすればいい?認知症の犬との暮らし方
- 夜鳴き対策
- 徘徊対策
- トイレの補助
- 食事のサポート
- 7.認知症と間違えやすい病気|受診の目安
- ● 甲状腺機能低下症
- ● 脳腫瘍
- ● 心臓病
- ● 聴覚・視覚障害
- ● 病院へ行く目安
- 8. 犬の認知症を予防する方法|今日からできる習慣
- ✔ 適度な散歩を継続
- ✔ 食事の質を上げる
- ✔ 脳トレを習慣にする
- ✔ スキンシップ
- ✔ 若いうちから予防
- 9.犬の認知症と上手に向き合うために|飼い主が抱えやすい悩み
- 夜鳴きで眠れない
- 介護疲れ
- 一人暮らしで不安
- まとめ|早期発見と環境づくりで愛犬の負担は減らせる
- FAQ(よくある質問)
- Q1.犬の認知症は何歳から起こりやすい?
- Q2.認知症は治る?
- Q3.夜鳴きがひどい場合の対処法は?
- Q4.薬で改善する?
- Q5.一人暮らしでも介護できる?
1.犬の認知症とは?まず知っておきたい基礎知識
犬の認知症(認知機能不全症候群)とは、
脳の老化によって記憶・学習・判断能力が低下し、生活行動に変化が現れる状態 のことです。
高齢犬に増えている理由
-
平均寿命が延びた
-
生活環境が良くなり長寿化が進んだ
-
室内飼育による運動不足
何歳から注意すべき?
一般的には 11歳を超える頃から要注意。
小型犬より大型犬の方が早く症状が出ることもあります。
2.犬の認知症の初期症状|早期発見のポイント
以下のような小さな“違和感”が認知症の初期にあらわれます。
✔ 夜に吠える・落ち着かない
昼夜逆転が最も多い初期症状。
✔ 呼んでも反応しない
名前を呼んでも気づきにくくなる。
✔ ぼーっとしている時間が増える
一点を見つめたり、動作がゆっくりになる。
✔ トイレの失敗が増える
場所を忘れてしまう。
✔ 徘徊(うろうろ歩きまわる)
家具の隙間に入り込むなどの行動も見られます。
初期での気付きが、進行を遅らせる最大のポイントです。

3.中〜重度になるとどう変わる?進行段階の症状
認知症が進行すると、以下のような行動が強くなります。
昼夜逆転が悪化
夜間の遠吠え、吠え続ける行動も。
ぐるぐる回り続ける
方向転換できず、壁に頭を付けたまま動けなくなることも。
食欲の変化
-
食べ続ける
-
食べない
-
食べているのに噛めない
などの極端な変化が起こります。
飼い主がわからなくなる
反応が薄れ、呼んでも見向きしないケースも。
攻撃的・不安が強くなる
触られると怒る、急に吠えるなど不安行動が増加。
4.犬の認知症の原因|なぜ起こる?
主な原因は「老化」ですが、複数の要因が重なっています。
✔ 脳の老化(酸化ストレス)
脳神経がダメージを受けやすくなります。
✔ 運動不足
脳への刺激が減る。
✔ 生活環境の変化
引っ越し・家族の不在・散歩時間の減少など。
✔ 病気・持病
心臓病、代謝疾患などが影響するケースも。
✔ 遺伝的要因
犬種によっては発症リスクが高いとされるものも。

5.犬の認知症は治る?治療法とケア方法
動物病院で行われる治療
内服薬
認知機能の働きをサポートする薬が使用されます。
サプリメント
-
DHA・EPA
-
ビタミンE
-
抗酸化成分
などを含むものが効果的とされます。
持病のケア
心臓病や内分泌疾患の治療は、認知症の進行を遅らせる助けに。
自宅でできるケア
✔ 生活リズムを整える
朝は光を浴びさせ、夜は静かに過ごす。
✔ 適度な散歩・運動
脳への刺激になり、行動の安定につながる。
✔ 脳トレ遊び
-
コング
-
ノーズワーク
-
おやつ探し
など、軽い刺激が効果的。
✔ 食事の改善
抗酸化作用のある
ブルーベリー・緑黄色野菜などを取り入れる。
6.介護はどうすればいい?認知症の犬との暮らし方
夜鳴き対策
-
部屋を暗くして落ち着く環境に
-
ぬいぐるみや飼い主の匂いのあるものを近くに
-
適度な日中運動で疲れさせる
徘徊対策
-
家具の角にクッション
-
歩行スペースを確保
-
サークルで安全な範囲を作る
トイレの補助
-
トイレシートを広めに設置
-
失敗しても叱らない
-
誘導してサポートしてあげる
食事のサポート
-
柔らかい食事に切り替える
-
介護用食器を使う
-
ゆっくり食べられる環境にする
介護は“完璧”を目指さず、できる範囲でOKです。

7.認知症と間違えやすい病気|受診の目安
認知症に似た症状を起こす病気もあります。
● 甲状腺機能低下症
元気消失、無気力。
● 脳腫瘍
急激な行動変化が特徴。
● 心臓病
息苦しさで落ち着きがなくなる。
● 聴覚・視覚障害
呼びかけに反応しない理由が「認知症ではない」ケースも多い。
● 病院へ行く目安
1〜2週間以上続く異変は受診推奨。
8. 犬の認知症を予防する方法|今日からできる習慣
✔ 適度な散歩を継続
毎日の軽い運動が脳への刺激に。
✔ 食事の質を上げる
抗酸化成分・良質な脂肪(DHA・EPA)を意識。
✔ 脳トレを習慣にする
おもちゃ・知育玩具・嗅覚遊び。
✔ スキンシップ
撫でる・話しかける・一緒に過ごすだけでも刺激に。
✔ 若いうちから予防
予防は早ければ早いほど効果的。
9.犬の認知症と上手に向き合うために|飼い主が抱えやすい悩み
夜鳴きで眠れない
→ サークル・静音対策・日中の活動量見直し
介護疲れ
→ 完璧を目指さない・地域サービス活用
一人暮らしで不安
→ ペットシッターやデイケアを利用する選択肢も
介護は ひとりで抱え込まないことが大切 です。
まとめ|早期発見と環境づくりで愛犬の負担は減らせる
犬の認知症は完治が難しい病気ですが、
早期発見・適切な治療・環境づくり で
症状の進行を大きく遅らせることができます。
愛犬が少しでも穏やかに過ごせるよう、
飼い主のできる範囲で優しくサポートしてあげましょう。
FAQ(よくある質問)
Q1.犬の認知症は何歳から起こりやすい?
11歳を過ぎると発症率が高まります。
Q2.認知症は治る?
完治は難しいですが、進行を遅らせることはできます。
Q3.夜鳴きがひどい場合の対処法は?
生活リズムの調整、安全な寝床づくり、日中の運動が効果的。
Q4.薬で改善する?
症状の軽減・進行抑制に役立ちます。
Q5.一人暮らしでも介護できる?
外部サービスを併用すれば可能です。
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